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9月28日(木)-安倍晋三首相の政策の本質

去る9月20日のデキレースで選ばれた自民党総裁の安倍晋三総裁(52)が、26日の衆参両院で第90代、57人目の内閣総理大臣に指名された。
提灯メディアの一つである読売新聞の27日の世論調査では何と内閣支持率70.3%を記録したという。
ここまで持ち上げるかという驚きのレベルだが、実際のところは9月22日の「きっこのブログ」に書かれている数字が本来の支持率と言えようか。
また、安倍内閣自体は、総裁選の「論功行賞内閣」であるとか、身内ばかりの「仲良し内閣」とか、言われているが、そんなことは問題ではない。
小泉内閣以前の自民党内閣発足時にも毎回言われてきたことだからだ。

ところで、実質的に自民党議員以外の人気がほとんどないと言われ、外国人特派員の英紙インディペンデント(The Independent)のディビッド・マックニール(David McNeill)記者や、米誌ニューズウィーク日本版のジェームズ・ワグナー(James Wagner)副編集長でさえ、どこに人気があるのかわからないと言った、安倍首相の政策の柱の一つは、「再チャレンジ政策」であるらしい。
ところが、安倍首相は就任後初めての記者会見で「小泉純一郎前首相が推進した構造改革路線についてはむしろ加速させ、補強していきたい。」と述べたのだから、拡大したとの批判がある格差の是正に努めるという「再チャレンジ政策」はマヤカシに過ぎないのだ。

彼の政策の本質は、実のところ「日本の失われた10年」を演出した超A級戦犯とも言える宮沢喜一元首相が先鞭を付け、小泉前首相によって強固なものとなったアメリカ合衆国日本行政特別区(The goverment of the Japan Special Administrative Region (JPSAR) of the United States of America)の行政長官としての仕事を全うするということなのだ。
昨今では、中国や韓国による小泉前首相の靖国参拝批判が内政干渉だと猛々しく世論が沸騰しているが、日本はすでにアメリカ政府による年次改革要望書(Annual Reform Recommendations from the Government of the United States to the Government of Japan under the U.S.-Japan Regulatory Reform and Competition Policy Initiative)という内政干渉を唯々諾々と受け続ける植民地政府でしかないのだ。
ちなみに、この要望書(原文)は最初のページの最後に日本からアメリカへも提言を出してくれることを期待する(The Government of the United States is pleased to present these reform recommendations to the Japanese Government and looks forward to receiving Japan's reform proposals to the United States.)と書かれているが、少なくともBSE問題ではいくらでもアメリカ政府に注文することはあるのにかかわらず、未だに日本からアメリカへ提言などされたことはない。

さて、小泉前首相は『改革なくして成長なし(No Growth Without Reform)』というフレーズを事あるごとに連呼し、国民の絶大なる支持を受け続けたが、世界の流れをつかむ『World Report』の6月15日号は、「破壊される国民生活」というコラムの中で、政府(官僚)は、改革=歴代内閣ができなかった国民負担の増大と捉え、国民は改革=減税、ばら撒き福祉と捉え、成長とは官僚(政府)は、国民の犠牲にたった大企業・金融機関の儲けと捉え、国民は成長=我々一般国民の収入増と捉えた。
つまり、政府(官僚)からすれば、小泉前首相は公約をほぼ完璧に達成したことになり、国民側からすれば彼は嘘つきになるが、国民にとっての不幸の最大の原因は、彼の言葉の(本質的な)意味を確認せずに盲目的に支持したことが悪いと書いている。
簡単に言えば国民は騙されたと言っているのを同じことだが、未だにそれに気づかない人も多いらしい。

それでは安倍新首相の言う「再チャレンジ」とは何だろうか。
提灯メディア報道では、行き過ぎた小泉構造改革の歪みを是正するための政策が期待されるようなニュアンスだが、私に言わせれば最初に「再チャレンジ」できるのは当然のことながら一般国民ではない。

  1. 腐臭プンプンの全然美しくない内閣

    「再チャレンジ」のトップバッターは何と腐臭プンプンの入閣者及び党幹部たちだった。
    2005年の郵政選挙で「民営化賛成」だけを叫んで生き残ったクズどもも何と多いことか。
    安倍新内閣の組閣名簿を見てコラムニストの勝谷誠彦氏は、『ムーブ!』という番組で「薄汚い内閣やなあ」と言い放ってスタジオを凍らせたそうだが、安倍新首相の小泉前首相とは異なった政策というのはこれだけではあるまいな。(9月27日-短命自爆内閣と見て逃げた与謝野さんが正解かもね
    小泉前首相は曲がりなりにも従来型の自民党政治と決別するような感じを国民に与えたからこそあれだけの支持を集めたのだから、安倍新内閣がこれでは本当に来年夏(参議院選挙)までの命運と言えようか。
    ただ唯一の懸念は一昔前に比べて有権者の知性の平均値が著しく低下していることだけか。

  1. 2005年の通常国会で郵政民営化関連法に反対し離党した無所属の衆院議員の自民党への復党

    これはすでに安倍新首相も容認しているため、あっさりと実現すると思われる。次に「再チャレンジ」できるのは郵政民営化法案に反対して離党した旧自民党衆院議員だ。
    当然ながらその復党の条件は、二度と執行部に逆らわないこと、まして郵政民営化がアメリカ政府による「2001年の日米規制改革および競争政策イニシアティブに基づく日本政府への米国政府の年次改革要望書(U.S.-Japan Regulatory Reform and Competition Policy Initiative)」の提言から始まっているなどと批判してはならないことは言うまでもない。
    要するに離党組にいつまでも冷や飯を食わせておけば、どんな内幕を暴露されるかわからないから彼らを「籠の鳥」とするための戦略であろう。
    ちなみに、彼らと選挙区が競合する、いわゆる小泉チルドレンだが、将来的には使い捨ての駒とされる可能性が大きいと思う。
    当然ながら2005年に彼らに投票した無党派層の民意は結果的に無視されることになるだろう。
造反組復党は「院内会派結成など経て」・・・中川政調会長
(2006.9.24 読売新聞)
自民党の中川政調会長は24日のNHK報道番組で、昨年の通常国会で郵政民営化関連法に反対し、離党した無所属の衆院議員の復党について、「一気にやるよりも大義が必要だ。
例えば(無所属議員による)院内会派ができれば、閣外協力もあるし、法案ごとの部分協力もある。
そうしたことを積み重ねる中で(復党の)議論が積み上がっていく」と述べた。
自民党への協力姿勢を見極めるためにも、無所属議員による会派結成などを経て、段階的に復党を進めるべきだとの考えを示したものだ。

また、中川氏は「参院選のための数合わせみたいに論じられたら、そういう人たち(自民党を離党した無所属議員)に一緒にやろうと声をかけている民主党を批判できない」と強調。
復党を進める条件として、
  1. 郵政民営化関連法の廃止や修正を主張しない
  2. 安倍自民党総裁の政権構想を支持する
ことを挙げた。
  1. 事前規制を撤廃し団塊世代のキャリア公務員は直接天下り可能に

    官製談合を担当したことの検察幹部によれば、「官庁OBによる口利きなどの行為を禁止し、罰則を設けるというが、口利きなど密室の行為の立証を官庁側が行うのは無理で、検察や警察が取り締まるしかないが、とても手が回らないだろう」というレベルだという。
    また、こうした犯罪に対する罰則は著しく甘いというのが日本の特徴である以上、こうした行為が可能になるような法令改正がされれば、近々「再チャレンジ」するのは団塊世代のキャリア公務員ということになる。

    小泉政権下での「官から民へ」の政策は、ドメインだけ(いわゆる政府の go.jp を株式会社の co.jp へ)変えればOKというのが実態で、数多くの特殊法人を独立行政法人と国策民営会社に変えた先輩OBたちが甘い汁を吸った後の大量の天下り予備軍を抱える官庁のウルトラCがこれというわけだ。
    これは小泉前首相が中馬行革担当相(当時)に作成を命じた「国家公務員の天下り規制と官民交流を見直すための試案」を安倍新首相が受け継いだものだが、まさに彼らがエセ改革者であることを如実に現していると言えよう。(故石井紘基衆議院議員が命を賭けた官僚総支配体制の打破
安倍首相、官僚の天下り規制を緩和
(2006.9.28 産経新聞)

安倍晋三首相は27日、官僚の出身官庁と密接な関係にある民間企業への天下りを2年間禁止する現行の規制を撤廃し、代わりに天下り後の「口利き」に対する罰則を強化する方針を固めた。
29日の所信表明演説にこのような考えを盛り込み、来年の通常国会に国家公務員法改正案など関連法案を提出する。
有能な人材の官民交流を促す狙いからだが、官僚の天下りには批判も強く、「2年間規制」撤廃に野党の反発は必至だ。

天下りの見直しは「霞が関改革」の一環で、公務員削減にもつながると期待されている。改革案では、2年間規制の廃止に伴う事前チェック策として、国家公務員が在職中に密接な関係にある企業に再就職を依頼することを禁止する。
また、天下った公務員OBが許認可や契約について出身官庁に働きかけることを禁ずるほか、現職公務員の側にもOBから働きかけがあれば監察官に届け出る義務を負わせ、違反者には刑事罰を科す方針。
さらに、天下り先の情報を内閣府で一元化し、人事院の国家公務員倫理審査会の監視体制を強化することも検討している。
同時に随意契約を競争入札に切り替え、談合防止策も強化する。

天下り規制改革の関連法案は、首相官邸の課長級以上を政治任用ポストに改め、民間人も登用可能にするための関連法案と併せ、来年の通常国会で成立を図る。

しかし、防衛施設庁の官製談合事件では、2年間規制を逃れるため、組織ぐるみで規制の及ばない財団法人を「待機所」としていたことが明らかになった。
このため、民主党は天下り規制期間を5年に延長した上で厳罰化すべきとの立場を打ち出している。

政府は「監視強化の方が重要だ」としているが、民主党は「官庁が組織的に天下りを斡旋(あつせん)する仕組みを変える前に『2年間』を撤廃したら不正が多発する」(中堅)と批判している。

天下り規制 国家公務員法では、退職後2年間は、退職前5年間に在職した府省庁・機関と密接な関係にある企業に就職する場合、人事院の承認を得なければならない。
人事院は天下り先企業の売上額中、国の機関との契約額が25%以上の場合などは承認しない。
ただ、公益法人は規制の対象外で、2年間の「待機所」として公益法人が使われるケースもある。

  1. 共謀罪の成立を目指す安倍新政権

    去る9月3日、安倍晋三官房長官(当時)は、臨時国会で最重要視する教育基本法の改正に加え、防衛庁を省に昇格させる法案と、共謀罪を新設する組織犯罪処罰法改正案の成立も目指す意向を表明した。
    共謀罪に関しては日本版ネオコンの「再チャレンジ」というわけだ。アメリカ合衆国日本行政特別区(The goverment of the Japan Special Administrative Region (JPSAR) of the United States of America)の行政長官としては、盟主様の命ずる法案を成立させないなどもってのほかというわけだ。
    ちなみに共謀罪に対する懸念については2006年5月20日の「今日の一言」で触れているので、参考にしていただければ幸いである。

「防衛省」と「共謀罪」法案-安倍氏、成立目指す
(2006.9.4 東京新聞)

安倍晋三官房長官は3日、自民党総裁選後に召集される臨時国会では、最重要視する教育基本法の改正に加え、防衛庁を省に昇格させる法案と、共謀罪を新設する組織犯罪処罰法改正案の成立も目指す意向を表明した。

盛岡市で開かれた自民党東北ブロック大会で「大切なのは教育基本法の改正、防衛庁の省昇格、(成立の)難易度が高いが、テロを防止するための刑法の改正だ」と述べた。
安倍氏は共謀罪の新設は、国連が採択した国際組織犯罪防止条約の締結に伴う国内法の整備だと指摘。「テロを未然に防ぐには、世界各国が協力することが大切。条約を結んでいる以上、国内法を整備する責任を果たすべきではないか」と新設の理由を説明した。
社会保険庁改革については「もっと抜本的に改革しなければならない」と、関連法案の修正が必要との考えを示した。

とりあえず目に付いたところはこんなところか。
いずれにしろ安倍政権下では彼らにとって不都合な話題はほとんど提供されないと思っていた方がいいだろう。
たとえ彼らに火の粉が降りかかる事態が起こったとしても、その時はほかの不祥事を暴きたてそこに国民を誘導するといった手法が取られることは想像に難くない。
何せ、安倍内閣は首相自身が意に沿わないメディアを恫喝し、仮に自身がそうしなくても、郵政選挙のときに広報担当を務めたメディア操作のプロの1人、世耕弘成(せこう ひろしげ)参議院議員が今度は首相補佐官として就任したからだ。

今は短命(来年の参議院選挙で与党敗北により引責辞任)で終わると見られている安倍内閣だが、盟主(アメリカ)様のご意向とメディア戦略の結果如何によっては、長続きすることもあり得るのだ。
まあ、そのときは日本の一般庶民の生活は完膚なきまでに叩きのめされることになるだろう。
なぜなら、日本が失われた10年と言われる原因となったのは「ヤクザ」が表の経済を蝕んだからだ。
そして、今度は「ヤクザ」みたいなメンタリティを持った人間が首相になったのだ。
2004年の参議院選挙後に私はエッセイ「カルトとヤクザが支配する国」を書いたが、たった2年でこれが誰の目にも強固なものとして映ることになったのである。

安倍新政権にメディア戦々恐々?
(2006.9.23 東京新聞)

安倍政権が始動する。
首相官邸の広報機能も強化するそうだが、気になるのは安倍流のメディア対応。自民党幹事長時代には「バランスを欠く」とテレビ局を痛烈に批判。党幹部の出演拒否などで物議を醸した。
一方、自身については靖国参拝についても、ひたすら“だんまり”。権力のチェック機能を課せられたメディア側も押され気味だ。

自省を込めつつ、同氏の「開放度」を検証すると-。

自民党のメディア、特にテレビ局に対する強硬な姿勢への転換は、2003年9月の安倍氏の党幹事長就任と軌を一にしている。

まず、2003年11月、衆院選直前にテレビ朝日の番組が民主党の閣僚構想を長く報じたことに抗議し、投開票当日に同局への党幹部の出演を拒否した。
この際は、報道被害者の救済機関「放送倫理・番組向上機構」(BPO)が運営する「BRC(放送と人権等権利に関する委員会)」に安倍幹事長名で審理を申し立てるに至った。

さらに2004年7月の参院選では、TBS、テレビ朝日の年金報道について、報道各社に「政治的公平・公正を強く疑われる番組がありました」とする文書を2、300件も送付。
選挙戦でも「みどりの会議」の中村敦夫代表のホームページに掲載されたパロディストのマッド・アマノ氏の作品に対して、幹事長名で削除を「厳重通告」した。

この選挙後、安倍氏は幹事長代理となるが、自民党は2005年8月には「NHK番組改変問題」で朝日新聞の資料が外部に流出したとして、記者会見以外での同紙による党役員に対する取材を事実上拒否する。
同年9月の衆院選でも、造反議員への対立候補を「刺客」とあえて呼ばないよう、報道各社に文書を送った。

ある民放の中堅社員は「政治家が報道内容に必要以上にピリピリしている現状は異常だ。安倍政権になって、その傾向が強まるのでは、と危機感を持っている」と率直に明かす。

例えば、ことし7月、TBSのニュース番組で内容と無関係な安倍氏の写真が放映され、同局に総務省から「厳重注意」が下った件についても「昔なら番記者を呼んで『あれはない。何か悪意でもあるの?』『頼むよ。気をつけてよ』で済んだ話だった」と驚く。

別の局の社員はテレビ朝日の出演拒否問題を聞いて「あぜんとした」と話す。
「『おまえたちもテレビ朝日みたいになるぞ』と他の局への脅しにもなった。メディアで反論せず、すぐに司法やBRCに訴えるというのも理解しがたい」

最近、テレビ局を監督する総務省もおかしくなってきたと語る。「総務省がすぐ『〇〇日に放送した番組のリポートを出せ』などと言ってくる。なぜ、と問いつめると『〇〇先生に聞かれて』とポロっと明かす」

一方、自民党から通告書を受けたマッド・アマノ氏は「通告書というよりは脅迫状だった」と振り返る。
そこには「自民党は(コピーの)改変を承諾していない。小泉総裁と自民党の名誉を棄損したのは明白だ」と断じていた。アマノ氏は「コピーの間違いを国民の立場から添削して差し上げたつもり。どうお考えになりますか」と安倍幹事長(当時)に対し“逆通告書”を送ったが、ナシのつぶてだったという。

逆に安倍氏自身が取材対象となった場合、メディアへの対応はどうなのか。

2004年に近親者の名前が浮上した疑惑取材に取り組んだジャーナリストの山岡俊介氏は、安倍氏の事務所に質問状を送ったが「事情が分かる人がいない」と繰り返された末「ノーコメント」と電話を切られた。
「今に至るまで質問状への答えはない。自分にとって都合の良い質問には答えるが、そうでない質問からは逃げる。他の同業者からも似たような反応を聞く。政治家の説明責任を果たしていない」(山岡氏)

今春には、世界基督教統一神霊協会(統一教会)系の団体の集会に安倍氏が祝電を寄せたと報じられた。
この件で、安倍氏は今年6月、「私人の立場で地元事務所から『官房長官』の肩書で祝電を送ったとの報告を受けている。誤解を招きかねない対応であるので、担当者によく注意した」とコメントを発表した。
だが、この祝電を問題視した「全国霊感商法対策弁護士連絡会」の公開質問状へは返答していない。
祝電問題と一連の対応について「こちら特報部」も安倍氏の事務所に問い合わせたが「政治部を通して。番記者を通してください」と繰り返すのみ。経緯の確認もできなかった。

■靖国参拝問題なお明言せず

政治姿勢に絡んでも、開放的とは言い難い。代表的な例は、今年4月の靖国神社参拝が判明した件だ。国内の政治問題として焦点化していたにもかかわらず「参拝したかしないかについて申し上げるつもりはない」と繰り返してきた。
首相就任後も参拝するか否かについても「外交問題、政治問題化する中で、あえて宣言するつもりはない」と明言を避けている。

さらに先月、加藤紘一・自民党元幹事長の実家が放火された件では、小泉首相同様、事件から約2週間たって初めて「仮に加藤氏の言論を弾圧し、影響を与える行為だとするなら許されない」とコメントした。事件当日の午後から夏休みだったが「緊急を要する案件」とはみなさなかった。

不気味なのは安倍氏当人とは無縁でも、その批判者に暴力的な攻撃が加えられている点だ。先の加藤氏のみならず、この間、安倍氏を激しく批判している田中真紀子元外相の自宅にも最近、脅迫電話や表札に生卵などが投げつけられた。

こうした状況について、メディア訴訟に詳しい喜田村洋一弁護士は「米国では1964年にニューヨーク・タイムズを勝たせた最高裁判決以降、メディアが記事内容が虚偽であることを知っているか、真実性に関心を持たずに報じた場合を除けば、政治家のような公人はメディアに賠償を求められない」と紹介する。

上智大学の田島泰彦教授(メディア法)も警鐘を鳴らす一人だ。田島氏は安倍氏の対メディア姿勢が顕著に表れた例として、NHK番組改変問題を挙げる。

■「権力を監視する認識ないのでは」

「安倍氏本人は圧力を加えたつもりはなくても、放映前にNHK幹部に番組内容について何か言えば、客観的には圧力以外のものではなくなる。そこに思いが至らない。彼にはジャーナリズムが権力から独立し、権力を監視するという認識がないのではないか」

新政権は反対も根強い改憲や共謀罪制定への意思を明らかにしている。田島氏は「現政権はメディアを利用しようとしたが、新政権は意に沿わないメディアに直接的に介入してくる恐れがある」と懸念する。同時にメディア側の「現状」にも危機感をにじませる。

「取材からの排除や訴えられることが度重なると、報じる記者が社内で疎んじられかねない。NHK番組改変問題でも、取材した朝日新聞の記者や告発したNHK職員はその後、異動になった。メディア側の委縮はすでに始まっている」

<デスクメモ> 今回、わが部の記者が自民党広報本部に取材を頼んだ。午後一時に電話すると「忙しい」。その後、4回電話してもダメで夕刻、本部に飛び込むと「忙しい!」。名刺交換すら拒まれ、廊下で待つとねばると、上司に電話。名刺交換にこぎつけたものの、そこで時間切れ。表玄関からの取材はやっぱり無意味?(牧)

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9月24日(日)-2ちゃんねるは閉鎖すべきだ

私は「2ちゃんねる」や「Yahoo!掲示板」などをあまり見たことがない。
趣味の関係で興味のあるところを見たことはあるが、匿名であることをいいことに罵詈雑言が飛び交っているスレッド(主に政治、経済、時事問題)を見てからイヤになったからだ。
それでも中には表の情報として出てこない鋭い書き込みなども散見されるが、完全にイヤになったのは、例のイラク人質事件以降だ。
それこそ名誉棄損やプライバシー侵害のオンパレードだった。
政府の大衆心理操作(関連:日本のマスコミがアンタッチャブルな理由)に乗せられた者たちの、まるで「小泉シンパに非ずんば日本国民で非ず」みたいなサーバー・リンチ的な書き込みにうんざりしたからだ。
2ちゃんねる名誉毀損を起こした有道出人(Arudou Debito)氏に対する書き込みの発端も、おそらく日本人のやることに逆らう外国人は成敗すべきとの短絡的な感情から出たものだろう。
そういうものを見た私は今後はそうやるであろう政府の情報操作手法に言いようのない恐怖感を覚えたものだ。

ところで、その「2ちゃんねる」がどうやら管理人の責任放棄によって閉鎖されるといった見方も出ているようだ。
この記事が正しいとすれば、社会正義の見地からも早急にウェブサイトを閉鎖し、管理人を民事だけでなく刑事(名誉毀損罪など)でも裁く必要があるだろう。
そうしなければ、野放しになっている掲示板で何がされるかわからないし、それにも増して、こんな状況下でさえ彼がノウノウと「ひろゆき日記@オープンSNS。」で失踪日記などと悪ふざけを書いて、何の咎めも受けずにいられたらそれこそマネをするヤツはもっと激増するのだ。

特に、『週刊誌で「払える余力があっても払わない。相手からすれば債権だけど、こちらにとっては義務じゃない」と持論を展開し、ビタ一文払っていない。』などという下りは損害賠償請求訴訟の意義のすべてが雲散霧消(うんさんむしょう)してしまうような発言だ。
おおよそ社会的に大きな存在となったウェブサイトの管理者の言うことではない。
それに加え、ほかの記事を見ても、もはや彼を裁くのに法律によってどうこうというより、「怨み屋本舗(テレビ東京系列で毎週金曜日の深夜に放映)」の世界だ。
一時は英字紙Japan Timesにも紹介されたほどの時代の寵児だったが、こうなってはネット世界の表舞台から消えてもらう以外の選択肢はないだろう。
そうしなければ、本当に総務省がネット検閲を始めることになるだろうから・・・

2ちゃんねるの「ひろゆき」失踪・・・掲示板閉鎖も
(2006.9.22 夕刊フジ)
インターネットの巨大匿名掲示板「2ちゃんねる」の管理運営者「ひろゆき」こと、西村博之氏(29)が失踪状態にあることが22日までにわかった。
同掲示板は西村氏個人が管理している。
当局が不適切な書き込みの削除や投稿者の情報を求めようにも行方知れずで放置され、裁判所からの呼び出しにも応じていない。
ネット社会の象徴的な存在でもある「2ちゃんねる」は、最悪の場合、「掲示板閉鎖」という事態まであり得る情勢だ。

「西村氏は8月中旬から携帯電話に出ないし、メールを出しても返事がない。債権者が破産申し立てする動きもある」
かつて2ちゃんねるの運営にも携わった、ITジャーナリストの井上トシユキ氏は明かす。

西村氏が平成10年に開設した2ちゃんねるは、利用人口1000万人と人気を集める一方で、匿名という性格上、名誉棄損やプライバシー侵害、著作権を侵す書き込みなども散見される。削除依頼しても放置されて訴訟にまで発展する場合、相手は西村氏個人となる。
「西村氏の自宅とされる住所に人が住んでいる気配はなく、裁判所にも出頭してこない。仮処分が出ても何もしてくれないし、まるで独り相撲」

東京都の男性会社員(35)は怒りをあらわにする。男性は数年前から掲示板で本人や家族の実名、住所を暴露され、誹謗(ひぼう)中傷を受けてきた。
今年8月、書き込みを行った発信者の情報開示を求める申し立てを東京地裁に行ったが、管理者の西村氏が裁判所に現れることはなかった。
今月、開示を命じる仮処分が出たが、西村氏の対応はないまま。西村氏には間接強制で1日5万円ずつ、制裁金も加算されている。

こうした”独り相撲”の原因は呼出状、仮処分命令書などが受取人不在で届かないため。
西村氏の登記上の住所は東京都新宿区新宿のマンションだが、「引っ越したと聞いた」(関係者)。
郵送物は同区西新宿の古アパートの一室に転送されるよう手続きされている。

風呂なし、トイレ共有で家賃は「2万8000円」(住人)という部屋に「人の出入りは全然見たことがない。たまった郵便物が減っているので、たまに来ているのかも」(同)という状態だ。ある原告の弁護士も「訴状すら見ていない」と不満を口にする。

「訴訟で負け続け、損害賠償の不払いが膨らみすぎて逃げた」とみる関係者もいる。
西村氏が抱える債務は、化粧品会社「ディーエイチシー(DHC)」の700万円をはじめ総額2000万円以上ともいわれるが、これまで西村氏は事実上、判決を無視。
週刊誌で「払える余力があっても払わない。相手からすれば債権だけど、こちらにとっては義務じゃない」と持論を展開し、ビタ一文払っていない。
こうした場合、資産の差し押さえなどの措置がとられるが、DHCの担当弁護士は「回収できたのは一部だけ。被告が西村氏個人なので、個人口座や不動産などの特定は難しい」と困惑する。

音信不通の影響はこれに留まらない。
著しい誹謗中傷、自殺や犯行の予告などの書き込みは、警察の求めに応じてプロバイダーが発信者の記録を開示する義務があるが、「このところ西村氏と連絡が取れず、迅速な対応が取りにくい」(警視庁関係者)。
この関係者は「野放し状態となれば、どこかが法的な規制に動くのでは」と、掲示板閉鎖まで示唆する。
雲隠れ状態の西村氏だが、自身のブログはこまめに更新しており、健在ではあるようだ。

ある原告は「2ちゃんねるは建前上、個人運営だが、掲示板に貼られる広告料などは西村氏の会社に入っている。2ちゃんねるでもうけながら、管理者として社会的な責任を果たさないのは許せない」と疑問を呈する。

井上氏は「西村氏は『裁判に勝とうが負けようが個人の責任』と答えるだろう」と推測したうえで、次のように話す。
「2ちゃんねるはかつてニュースの発信地だったが、今は悪ふざけの温床でしかない。西村氏自身、前から『いつやめてもいい』と話しており、すでに手に余している気がする。半匿名のコミュニティーサイト『ミクシィ』のユーザーが拡大したし、もう役割を果たしたのではないか」

9月22日(金)-タイのノービザ入国規定改定

タイというところは微笑みの国というだけあって、沈没(ダラダラと居付く)するには居心地も良いらしく、ノービザ(観光ビザ免除/Tourist Visa Exemption)での実質長期滞在者も多い。
食べ物は美味しく物価もほどよく安く、宗教的なタブーがあまりない。
それにセクシーな女の子がほどよく町を歩いている。
また、日本を含む41カ国の旅行者は、観光目的で30日以内であればビザがなくても滞在することができ、今までは滞在期限が切れる頃になると、カンボジアやマレーシアのような周辺諸国へ旅行に行くことによって、実質的かつ合法的に滞在期間を延長することができた。

ところが、9月15日付のタイの英字紙ネーションによれば、今年10月1日よりビザなしの観光目的で滞在できるのが、最初の入国日から30日ということに変更はないが、ビザなし滞在の更新は2回まで、滞在日数の上限が90日になるとのことだ。
つまり、今後は最初の入国日から6ヶ月間に、3回の出入国を繰り返すか、合計滞在日数が90日に達した時点で、それ以上のビザなし滞在は許可されなくなるということだ。
但し、その場合でも、観光ビザを取得しての入国は許可されるほか、タイを出国してから90日以上経過した場合には、またビザなしで入国できる。
これは、私のような短期旅行者にとってはあまり関係ないかもしれないが、タイのノービザでの長期滞在(沈没)者にとっては一大事のようで、そういった事態が我が身に降りかかっているような人のサイト(ブログ)では情報が飛び交っているようだ。

ここ数日は、ソンティ陸軍司令官(Army chief General Sonthi Boonyaratglin)の指揮したクーデター騒ぎでアジアの国際ニュースのトップに躍り出た感のあるタイだが、新空港の開港とともに長期滞在(沈没)者の間ではこちらのニュースもホットなようだ。
このタイの出入国管理法の改正は、不法就労している欧米人の急増とその防止対策が背景にあるとされており、新ルールでは、タイから一度出国して、周辺諸国からの戻ってきたときのアライバルビザの取得は2回までとされ、その後は本国へ帰って観光ビザを取得しなければならない(タイ出国から90日以上経過すればこの限りでない)とあるので、そのあたりで実効性を高めようということだろうか。

なお、このビザなし滞在の更新が2回までということに関して、Thai Visa.comの中にプーケットの出入国管理局の調査官からの回答(New visa rules confirmed)として、制限はない([Foreigners from countries qualifying for visas on arrival] can come in and out of the country as many times as they like with a visa on arrival, but can stay for a maximum of 90 days in any six month period.)が掲載されていることも併せてお知らせしておこう。
どちらが正しいかは自分で出入国管理局(Immigration Bureau)へ確認した方がいいようである。

また、私のような短期旅行者には入国審査のときにタイから出国するための航空券の呈示が厳密に求められるのであろうか。
そうなると、マレーシアやラオス、カンボジアに陸路で行く、という申告をするとどうなるのだろうか。
新制度で影響のあるところはこのあたりなのか、とも思うが、最大のガンは今でさえ運が悪いとバンコクの入国ブースを通過するのに1時間かかっていたものが、これからはもっと長くなることであろうか。

Thailand tightens re-entry rules for tourists
(September 15, 2006 The Nation)
Thailand will tighten its immigration rules for tourists who exploit visa free regulations, effective on October 1.

The move will affect tourists from 41 countries who have been enjoying privileges by being allowed to stay in Thailand without a visa for up to 30 days. Among the 41 countries are Australia, the UK, Canada, France, Germany, Japan and the US.

Tourists can extend their stay by travelling to neighbouring countries - Cambodia, Malaysia Laos and Burma - and returning with new entry stamps.

The new rules are issued as an increasing number of tourists have overstayed the period allowed.

"Under the current rules, people from these countries can stay in Thailand for as long as they want. Some even stay here for one year. Many work illegally in Thailand," an informed source said.

Instead of sightseeing, the tourists take advantage of the visa exemption by doing business here.

From October 1, tourists from the designated countries may still enter Thailand without visas and stay for up to 30 days, but their entry stamps will be renewable twice at most for a maximum stay of 90 days.

Tourists who stayed for 90 days must leave the Kingdom for at least 90 days before being permitted to reenter Thailand.

Thailand tightened immigration rules last year for South Asian tourists who were allowed to apply for visas on arrival which permitted them to stay in Thailand for 30 days. A large number of them took advantage by travelling to neighbouring countries and returning to get a new visa on arrival at the airport.

Under the new rules, they are allowed to obtain a visa on arrival only twice from neighbouring countries. They are then required to go back to their country of origin to obtain an entry visa to Thailand.

For further information on September 16, 2006
Big impact expected from tougher visa-free entry rules
Thailand Tightens Visa Rules by Reuters

関連サイト


9月13日(水)-アラブ観光はロンジー持参で

皆さんはミャンマーの民族衣装であるロンジー(longyi)をご存知だろうか。
これは現地の人たちが着ている伝統的な巻きスカートで、男性用はパソ(paso)、女性用はタメイン(htamain)と呼ばれることもある。
現地では観光客向けの土産物屋でもUS$5(\600)程度だが、少々高くついても構わないのなら日本で買うこともできるようだ。

タンテニャゥンウーホテル(Thante Nyaung Oo Hotel)のフロントの女性 アウンミンガラーホテル(Aung Mingalar Hotel)にて

で、どんなものかと言えば、例えばこんな感じだ。
左の写真の彼女はバガンの高級ホテルであるタンテニャゥンウーホテル(Thante Nyaung Oo Hotel)のフロントスタッフなのだが、これにサンダルを履いていれば、ほとんどどこへでも出かけられるし、高級なホテルなどでも失礼にあたらないそうだ。
事実、彼女はこれで接客しているのだから問題はないのだろう。
この写真だと良くわからないだろうが、男性は前であわせ、女性は横であわせて着ることになっている。

何を隠そう私は5月の旅行のとき、インレー湖のボート観光で立ち寄った土産物屋で自らシャン族セットと称してシャツとロンジーを買ったのだ。
せっかく買ったので、コスプレをしてみたのが右の写真、ちなみに隣の女性はアウンミンガラーホテル(Aung Mingalar Hotel)のアイドルだ。
ただ私の場合、ロンジーの紐の結び方が今ひとつで今にもズリ落ちてきそうだったけどね。

UAEのデザートサファリでシ-シャ(水たばこ)を吸うこのシャン族セット、なかなか日本で着る機会がない。
上は外で着てもいいのだが、ロンジーは寝巻き代わりにするしかない。
そのロンジーだが、9月の旅行で思わぬ効用があることに気づいた。
これはウエストの調節が紐でできて、大腿部にゆとりがあるので、短パンの上でも無理すれば穿くことができることがわかったからだ。

最初は、冷房の強いところで穿こうかと持っていったのだが、生地が薄くて嵩張らないので、イスラム諸国のように肌の露出があまり好まれない地域、ましてモスクへ入るときは、これを1枚持っているだけで、結構便利なのだ。
暑い中で長ズボンを穿いて行かなくてもいいし、短パンがまずいときだけロンジーで隠せるからだ。
それにもともと酷暑の中で穿くために作られているので洋服に比べて涼しいしね。
海外旅行で買うTシャツなどのお土産は使い捨てにすることが多い私だが、このロンジーはちょっとだけ大切に使おうと思う。

ちなみに、上の写真はUAEのデザートサファリ(砂漠ツアー)でシーシャ(shisha)を吸っているところ、隣の夫婦はツアーで一緒になったイラン人、本国にいるときは厳しい戒律下にある女性も外国へ出るとこんな感じなのかな。
それとも旦那が企業の経理担当重役をやっているような上流階級だからなのかな。

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