7/6(Thu) |
日本の輸入業者や海外旅行者にとっては円が強ければ強いほどいい。
1995年4月19日、東京外国為替市場では空前の1US$=\79.75を記録した。
日本の新聞には来日した外国人の苦りきった写真が出ていたが、私たちは強い円を持ってマレーシア旅行へと旅立った。
成田空港にはサンダカン墓参団と思しき年配の団体もいた。
彼らはリゾート地へ行く飛行機の中で非常に目立っていたが、東南アジアに「からゆきさん」(the
Karayuki-san/1860年代から1930年代まで売春婦として海外に売られた貧しい農村の日本人女性)と呼ばれた日本人女性がいたと言われているので、彼女たちの遺族かもしれない。
こういうことからも私たちは日本を豊かにしてくれた先人に感謝するべきかもしれない。
私はマレーシアに来る前は空港を出た途端に客引きに囲まれるのではないか、という懸念を持っていた。
マレーシアと同じイスラム教の国であるトルコやモロッコでは客引きの相手をするのが日課となっていたからだ。
しかし、マレーシアはほかのイスラム諸国とは違っていた。
街中で客引きや物売りに囲まれることはなかったし、タクシーでぼられることもなかった。
マハティール首相はマレーシアを2010年までに先進国にすると言っていたが、それは十分に信頼に値する言葉だった。
あいにく外は大雨が降っていたが、超豪華バックパッカーの私たちはタクシー(10M$=\370)に乗ってコタキナバル市内へ繰り出した。
タンジュン・アル・リゾート・ホテルからはシャトルバスもあったのだが、私たちはそれに乗ろうともしなかった。
しかし、夕食を取ったところはセンター・ポイントの地下のフード・センターに屋台街であるカンポン・アイル(The Kampung Air)の食堂だった。
夕食代は店を3軒はしごして1人当たりおよそ25M$(\930)だったが、ビール代はタクシー代と同じくらいに高かった。
そういうところはイスラム教の国らしかったが、中東に比べれば戒律は緩そうだった。
私たちは行かなかったが、山と自然を愛する人たちにとっては、キナバル国立公園へ行くのもいいだろう。
セピロック・オランウータン保護区(Sepilok Orangutan Rehabilitation Center)へ行ったり、ラフティング(ゴムボートによる急流下り)も面白いかもしれない。
キナバル国立公園 (写真提供: E.Yさん) | |
7/7(Fri) |
7は8と並んで日本では幸運の数字である。
特に7月7日は7が2つ重なるのに加え、七夕と重なることから毎年7月7日に婚姻届をするカップルが多いと言われる。
七夕は、7月7日、地域によっては8月7日に行われる日本の祭りである。
これは中国の故事に由来し、それによると、織女星と彦星(牽牛星)は互いに思い合いながら1年に1度だけ七夕の日にのみ逢うことができる。
それを祝って、人々は細長い色紙に願い事や夢を書き付け、長い竹の枝に結んで飾りつけるのだ。
これに平成7年が重なったこの年、幸運の数字にあやかろうとした人が多かったというのは想像に難くない。
サピ島のビーチ | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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タンジュン・アル・リゾート・ホテルからはフェリーでトゥンク・アブドゥル・ラーマン国立公園(The Tunku Abdul Rahman National
Park)の島々、サピ島(Pulau Sapi)、ガヤ島(pulau Gaya)のポリス・ビーチ、マムティク島(Pulau Mamutik)、マヌカン島(Pulau
Manukan)、スルグ島(Pulau Sulug)へ行くことができる。
私たちはその中の1つ、サピ島へ日帰り旅行をした。
パンフレットによると、その島には多くの木陰と静かな海があり、さんご礁がビーチからわずかの距離にあると書いてある。
さて、ここで一言アドバイスを・・・
私たちの泊まったホテルは超豪華ホテルである。
中にはレストランを始め、ピアノラウンジまであって美人のエンターテイナーがリクエストに応じて歌を歌ってくれる。
例えば、1992年の大ヒット映画"The Bodyguard"の主演女優、ホイットニー・ヒューストン(Whitney
Houston)の"I will always love you"とか・・・
そして、自分の名前を書くときはHondaがいい。
世界的に有名かつ人気がある日本人の名前は本田(Honda)だ。
7/8(Sat) |
ラッキーなことにこの2日間はいい天気が続きている。
きっと私たちの普段の行いがいいに違いない。
この日、私たちは附帯施設が整っているマヌカン島へ行った。
ここはレストランや、プール、バレーボールコート、テニスコート、スカッシュコート、そして宿泊施設もあるリゾートアイランドだ。
静かに過ごすならサピ島、便利さを求めるなマヌカン島ということになるだろう。
それから最後に、パンフレットにあるように、この島は比較的、日祝日には地元の人で混み合い、騒がしくなるので避けた方がいいとある。
事実、レストランにいた人や、夕方に着いた船から下りてくる人の騒がしさには閉口するしかなかったからだ。
ところで、マレー語のマヌカンってどういう意味かな?
7/9(Sun) |
ボルネオ島内からマレー半島へ行くときには、国際線のときと同じように出国審査がある。
国内線でもこうしたチェックがあるのは珍しいが、おそらくインドネシア領からの越境者をチェックするのであろう。
何といっても密林のジャングルの国境線などないも同然だからね。
クアラルンプールにはショッピングを楽しむところがたくさんある。
私たちが行ったのは、パルタマ・コンプレックス(Partama Kompleks)、そごうデパート(Kompleks Pernas Sogo)、そしてセントラル・マーケットだ。
この中でもセントラル・マーケットは地元の人も多くちょっとした土産物を買うのにはいいかもしれない。
実際、錫製品などはいいものが揃っている。
そして、バティック、これはインドネシア同様、マレーシアでもあちらこちらで売っている。
ゲンティン・ハイランドはマレーシア唯一のカジノがあるところだ。
ここへ行くにはクアラ・ルンプルのプドゥラヤ・バス・ターミナル(Puduraya Bus Terminal)からバスかタクシー(M$60=\2,220)に乗れば、約1時間で着く。
ここは1971年に誕生した高原リゾートで、避暑でやってくるシンガポール人も多いということだ。
カジノに入る場合、ドレスコードがあるところがあるが、ここは上に長袖のバティックを着ていればOKだ。
もちろん、バティックは土産として市内で買えるが、貸し出し(M$3=\110)もしている。
ホテルのスタッフによれば、カジノはシャツにネクタイが必要で、Gパン不可と言われるが、実際はバティックさえ着ていればそれほど厳しくない。
なぜなら、ここではバティックが正装だからだ。
7/10(Mon |
クアラルンプールのスバン国際空港にある免税店で私は通りすがりに店員から日本語で声をかけられた。
「お兄さん、いいチョコレートあるよ!」と・・・
私はチョコレートを買う気がなかったので、「いらない!」と言うと、彼女は「なぜ?」と聞く。
あなただったらこれに何と答えるか?
実際、日本人が海外旅行帰りに買うチョコレートは土産の中で最もポピュラーなものかもしれない。
これは日本人がチョコレートが好きというよりは義理で配る土産にするためのものだ。
もらった相手も義理だとわかっていて受け取ることが多い。
こういったことはバレンタインデーにもよく見られる。
実に不思議な風習(convention)だが、これは多くの日本人サラリーマン・OL(office
worker)にとって良好な職場環境を維持するためには欠かすことのできないものだと信じられている。
日本には有名な諺がある。
「郷に入れば郷に従え!(Do at Rome as the Romans do.)」