バザール商人 vs 日本人旅行者

9/2(Mon) イスタンブール市内観光 (トプカプ宮殿, グランド・バザール, ハマム)
宿泊先 Petrol / 93,000TL (\2,790) per night
[booking sites for you / agoda.jp Booking.com venere (英語・日本語)]
諸費用 トプカプ宮殿: 10,000TL=\300
ハレムのガイド付ツアー: 5,000TL=\150
地下宮殿: 10,000TL=\300
関連サイト 欧州総合リンク トルコ イスタンブール

  トプカプ宮殿は、オスマン帝国の首都に1466年から1478年に建てられた宮殿だ。
私たちは入場料を支払って宮殿に入ると、さっそくハレムへのガイド付きツアーに参加する。
ここは自分勝手に見学することはできないので、こうしたガイド付きツアーに参加せざるを得ない。
英語ガイドの案内で中を見学すると、随所に贅を尽くした調度品が並び、往時の権勢を偲ばせるものが見られる。
ここに加えて、宝物館もなかなか見ものだ。
まあ、歴史に興味があるかどうかで印象は違ってくるだろうが、いずれにしろ、この宮殿は時間をかけて見た方がいいだろう。

Topkapi Palace, Istanbul Topkapi Palace, Istanbul

  宮殿のバルコニーに出ると、イスタンブールの最も素晴らしい景観の1つである、ボスポラス海峡・金角湾(Golden Horn)・マルマラ海を見渡すことができる。
ただ残念だったのは雨で景色が今一つだったことだ。
晴れていれば、ここで食事でも取りながら景色を楽しめたかもしれないのにね。

Galata Bridge, Istanbul  昨夜の汚いホテルを引き払った私たちは近くにあった高級ホテルに移ることにした。
ここは冷蔵庫やバスタブまで付いたところで、昨日の反動が一気にきたような感じだ。
天気も良くなってきたようで、ようやく観光日和になったと言えそうだ。
でも、行き先は皮肉にも地下宮殿だったのだ。
ここは、巨大な円柱のある洞窟で、昔は東ローマ帝国の宮殿と、オスマン帝国のトプカプ宮殿の水源となっていたところだ。
まあ、やることが全く逆なのだが、雨が止むなんて想像もしてなかったので仕方ないかな?

  ガラタ橋は旧市街のエミノニュ(Eminönü)と新市街のカラキョイ(Karaköy)を結ぶイスタンブールの主要交通路である。
この橋の2階部分は一般の車道と歩道、そして1階部分が食堂街となっている。
当然のことながら呼び込みはものすごく、意味不明な日本語も飛び交っている。
例えば『エビ・イカあるよ!みんなヤリタイ!』って感じ・・・
あとの『みんなヤリタイ!』って何だ?
ここは食堂街であって男の遊園地ではないはずだけどね。

Grand Bazaar (Kapali Carsi), Istanbul  グランド・バザール(Kapali Çarsi)は4,000以上もの店があり、宝石や金を売っている店も多い。
イスタンブールに来たならばここは外すことのできない観光地だ。
いろいろリスクはあるが、行ってみると非常に面白いと思う。
メインは何と言っても商人との駆け引き、でも彼らの方が1枚上だ。
勝てる要素がまるでないが、値引き交渉を楽しんでみよう。

  ここの名物は絨毯トルコ石(turquoise)、でも信頼できる現地の人に連れて行ってもらうのでなければ見るだけにした方がいい。
もし、旅行の土産が欲しければ、小物を探してみよう。
もちろん、ここでは値切り交渉は必須、遠慮は無用だ。
また、支払いは米ドル紙幣が喜ばれるので、1ドル紙幣をたくさん持っていくことをお薦めする。
言うまでもないが、高額紙幣を出して釣りをもらおうなんて考えは持ってはならない。
ここでは釣りは彼らへのチップだと思った方がいいからだ。

  ところで値切り交渉なのだが、先に遠慮してはいけないと書いた。
つまり、相手の最初の言い値と、こちらの最初の言い値の間で交渉は決着するのだから、一番重要なのは、最初は自分の言い値を低くすることなのだ。
そして交渉が不調に終わりそうなときは、交渉を途中で打ち切って次へ行くフリをするのだ。
こうすると、往々にして買い手に有利になるのだ。
ちなみに彼らは交渉の途中で必ず『もう値引きできない。(It's a last price!)』と、言うが、これが本当だったことは一度もない。
それと計算が苦手な人は値切り交渉の上で大きなハンディキャップだ。
通貨の換算で騙される確率は相当に大きい。
せめて電卓を使いこなせるようにしておこう。
もちろん、旅行前に為替レート(自国通貨、米ドル、トルコリラ)をチェックするのは当然だね。

  ここで良心的な店はないのか?と思うだろうが、以下の奴らを悪い奴と考えてみると、おのずと見えてくるかもしれない。
写真を見せて『私はあなたの国に友人がいる。』と言う。
最初の言い値を極端に下げてくる。
為替レートをごまかす。
頼んだものと違うものを見せたがる。
こんなところだろうか?
とにかくここでの買い物はギャンブルだと思ってやってみよう。

  しつこい奴らと喧嘩するために・・・
I'm not so stupid! (なめるなよ!)
I've had it! (もううんざりだ!)
Get off my back! (つきまとうな!)

  今日の締めくくりはトルコ風呂(Hamam)である。
ここでは、まず男女別の別れた部屋に入り、腰布だけを付けて真ん中の石の上で寝て汗を流す。
次にそこのスタッフ(男はtellak、女はnatir)が丸まった絹の布(kese)で身体をこすってくれるのだ。
最後はシャンプーをしてもらって終わりというわけだ。
まあ、すっきりしたけど、彼らの仕事は荒っぽかったのが珠に傷だったね。

  日本の歓楽街の1つ、ソープランドは以前はトルコ風呂のようなものとして、『トルコ』と呼ばれていた。
しかし、『トルコ』という名前は、トルコ人の抗議で名前がソープランドに変更されたのだ。
事実、ソープランドとトルコ風呂は全く違うものだからね。
ちなみに、ソープランドでは女の子が石鹸でお客の身体を洗い、時には最初に自分の裸に石鹸を泡立て、人間スポンジのようにしてくれて、そのあとは彼女がいかなる世話でもできるようなポジションを取ってくれるというわけだ。

初心者のまぐれだったってか?

9/3(Tue) 下痢(traveler's diarrhea)で1日ダウン
夜はカジノで遊ぶ
宿泊先 Hilton / 186US$ (869,368TL/\26,080) per night
[booking sites for you / agoda.jp Booking.com venere (英語・日本語) アップルワールド JHCホテル (日本語)]
関連サイト 欧州総合リンク トルコ イスタンブール 医療・健康

  未明から断続的に続く下痢に私は悩まされていた。
胃腸薬の"正露丸"が全く効かないので、コレラ(cholera)か赤痢(dysentery)かと本気で思い始めていた。
ご存じのように、この薬の効能は、下痢(diarrhea)、消化不良による下痢(diarrhea for indigestion)、食あたり(food-poisoning)、吐き下し(vomiting and purging)、水あたり(water-poisoning)、くだり腹( loose bowels)、軟便(soft feces)、腹痛を伴う下痢(diarrhea with belly ache)である。
これが効かないというのはただごとではなかった。
でも、どうして病院や薬局に行かなかったのかって?
私は英語がほとんど話せなかったので、行きたくても行けなかったのだ。
また、私たちがヒルトンのような超高級ホテルに泊まったのは、カジノがあったことと、日本人スタッフがいたからである。
ちなみに友人たちは市内観光に出かけ、私だけがホテルのベッドで1日中寝ていたのだった。  

  私たちは生まれて初めてカジノに入った。
ギャンブルは日本でもあるのだが、カジノのようなものは違法なので存在していないからだ。
競馬パチンコがあるのにカジノがないのは不思議なのだが、日本では法に例外が多く存在するので、あまり深く考えない方がいいかもしれない。

  ところで、カジノのゲームの中では、スロットマシンにルーレットとブラックジャックが人気があるようだ。
ここではトルコリラではなく、米ドル建てで賭けが行なわれている。
スロットマシンは最低の掛け金が1US$(4,670TL/\140)、ルーレットとブラックジャックは5US$(23,350TL/\700)である。
私の腹の調子は相変わらず良くなかったのだが、ヒルトンのカジノではブランデーやコニャックさえ飲み放題だったので、ついつい長居してしまった。
勝負の方はブラックジャックで勝ったのが効いて、100US$(467,000TL/\14,000)の儲けとなった。
こういうのをビギナーズラックというのだが、ギャンブルにはよくあるんだな〜
ちなみに、ブラックジャックの遊び方については、こちらに書いてあるので参考にするといいだろう。
あと、世界の経済とか自分の国の歴史について英語で話せるとベストだね。
なぜならヨーロッパのカジノは社交場だからだ。

やったね・・・無事帰国、でも・・・

9/4(Wed) イスタンブール(アタチュルク) 14:55-トルコ航空(TK)592-翌10:55 東京(成田)
関連サイト らっしゃい東京 (http://www.tcvb.or.jp/)
成田空港 (http://www.narita-airport.or.jp/)

  ヒルトンの朝食は何と40,000TL(\1,200)と市井のものとはかけ離れていた。
地元向けの店の価格が概ね1,500TL(\50)だと考えればいかに高いかわかるだろう。
こんな贅沢ができるのも昨日のカジノで勝ったおかげだ。
こういうのを日本の諺で『悪銭身につかず』というのだ。
ちなみに友人たちは朝寝坊を決め込んで、食事をしないようだ。
せっかく奢ってやるって言ったのにね。

  体調が良くならないまま私は帰国便に搭乗した。
機内でもわざわざ日本人スチュワーデスから下痢止めを貰おうとして、トルコ人のスチュワーデスから『緊急事態なのか?』と聞かれて戸惑ってしまったくらいだ。
いざというときのために病気に関する英単語は覚えておこう。
ちなみに、帰国後の診察で、幸いにして、コレラや赤痢ではなく、単なる旅行者下痢症であったのが救いだった。

old USSR flag   ところで、トルコ航空592便はインスタンブールからの帰途でモスクワに立ち寄った。
そのソ連(ソビエト社会主義共和国連邦)は1991年12月21日で消滅し、独立国家共同体(CIS)が発足することとなった。
これにより、ロシア(Russia)、アゼルバイジャン(Azerbaijan)、アルメニア(Armenia)、ウクライナ(Ukraine)、ウズベク(Uzbekistan)、カザフ(Kazakhstan)、キルギス(Kyrgyzstan)、グルジア(Georgia)、タジク(Tajikistan)、トルクメン(Turkmenistan)、モルドバ(Moldova)の11共和国が誕生した。
果たして、21世紀にはこれらの国がどうなっているのか?
これ以上、勉強したい方は、こちらへどうぞ。

  一方、日本では1989年12月29日に日経225種平均が\38,915.87(268US$ / 1US$=\145)という史上最高値をつけたあと、バブル経済が崩壊、経済の今後に対する懸念が広がっていた。
それでも過労死(Karoshi=death from overwork)が社会問題となっていることには変わりがなかったが、政府・企業・労組はその問題の解決にほとんど努力しなかった。
そればかりか、ある日系企業は『ドイツ人が休み過ぎる!』と言って、ドイツ(Germany)から撤退した。
休暇も取らずに働き続ける日本人サラリーマン、果たして仕事と金だけが人生なのだろうか?
それで幸せな人生だと言えるのだろうか?

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